top of page
前回のBOOKMARK6展示画像.jpg

​BOOK MARK展アーカイブ

『BOOK MARK 展』とは

「BOOK MARK展」は、カルチャーとビジネスを結びつけ、より身近に感じていただくことを目的とした書籍の展覧会です。毎回異なるテーマを設け、さまざまな分野で活躍する方々に書籍をご推薦いただいています。書籍の推薦を通して多様な視点や価値観を共有してきました。

会期中は、「眺望ギャラリー テラス計画」の壁面に、推薦文とあわせて書籍を展示しています。

本ページでは、これまで全7回にわたり開催してきた「BOOK MARK展」で紹介された書籍を、アーカイブとしてご覧いただけます。

BOOK MARK 展  vol.7
​子どもにも大人にもオススメしたい『児童文学』

期間|2026年6月5日〜7月26日

会場|眺望ギャラリー テラス計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

​共同企画|一般社団法人PROJECTA

第7回目となる今回は、「子どもにも大人にもオススメしたい『児童文学』」をテーマに、書籍に携わる方々に児童文学を推薦いただきました。初めて出会う本から、懐かしのあの本まで…。

日頃からたくさんの書籍に携わる推薦者の方々が選ぶ珠玉の一冊をお楽しみください。
(Vol.7の展示は2026年6月5日〜2026年7月26日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

はてしない物語』

​著者|ミヒャエル・エンデ
​翻訳|上田 真而子 、 佐藤 真理子

​01

推薦者:會田千夏(絵本とcafeゴルディロックス

子供の頃、映画の「虚無」を象徴する黒い狼に怯え、母の手に目を隠してもらった鮮烈な記憶。文字を1文字ずつ読んでしまう私にとって、その分厚い原作は長年の「超難関本」でした。 変化の途中、プチ引きこもりをしていた時に布張りの表紙を開くと、驚くほど物語の世界へ没入できたのです。現実と幻想世界が茶と緑の2色で刷り分けられた美しい文字は、読字が苦手な私の目を支え、主人公と体験を重ね合わせるノンフィクションの魔力を与えてくれました。 かつての私のように、読むことに挫折を感じている人にこそ一度手にとってほしいです。言葉の大切さに浸り、主人公と共に人生を生き直す体験が待っています。

『しろねこくろねこ』

​著者・絵|きくちちき

​02

推薦者:青田 正徳(ちいさなえほんや ひだまり

道東本別町出身で神奈川県在住「きくちちき」さんのデビュー作で、2013年BIB世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞。

色が黒いことで自信をなくしていた「くろねこ」。でも「しろねこ」はいつも傍らで見守り、寄り添います。

のびやかな線と大胆な構図、更に繊細な筆使いで魅了し続けます。青田が世界一大好きな絵本作家です。

『やねの上のカールソン』

​著者|リンドグレーン 
絵| イロン・ヴィークランド 
翻訳| 大塚 勇三 

​03

推薦者:神輝哉 Seesaw Books

屋根の上に住んでいる小太りのおじさんカールソンは、わがまま、見栄っ張りと、今の時代なら「鼻つまみもの」として扱われてしまうかもしれない。

でも、本当にそうなんでしょうか?

大きくなる過程で知らず知らずのうちに鍵をかけてしまったかもしれない心のストッパーを外して読んでみてほしい一冊です。

『「ぼくは鬼がこわいと思いました。」 主人公自ら語る童話集』

​著者|クゲユウジ
​絵|岡村優太、柴田ケイコ、ニシワキタダシ

​04

推薦者:関口聡美(KITSUNE BOOKS/室蘭市)

「ぼくは鬼がこわいと思いました」は、鬼を前にした桃太郎の気持ちです。
この本では、桃太郎、シンデレラ、浦島太郎が、大好きなおじいさんおばあさんのことや、かぼちゃの馬車の中で感じたこと、カメの背中の感触などを、自分の目線で話してくれます。語りと同じく、主人公の目線から描かれた絵も魅力的です。
みなさんもよく知っているお話が、主人公の言葉で語られることで、感情が生き生きと伝わり、登場人物たちがぐっと身近に感じられます。
桃太郎のおばあさんや魔法使い、竜宮城のカメなど、ほかの登場人物の立場からの物語も想像したくなります。
物語は読む人の立場や状況によっていろいろな読み方や捉え方ができ、読むたびに違う景色を見せてくれるものなのだと、あらためて感じました。

『影との戦い: ゲド戦記 1』

​著者|アーシュラ・K.ル=グウィン
​翻訳|清水真砂子

​05

推薦者:高橋喜代史(美術家/一般社団法人PROJECTA)

児童文学やファンタジー小説と侮るなかれ。私がこの本を読んだのは20歳頃。親戚の家で甥の本を何気なく手に取ったのがきっかけだったが、気づけばその世界観に夢中になっていた。
魔法使いの物語であり、師弟関係の物語であり、才能ある若者の驕りと成長の物語でもある。しかし何よりも私を惹きつけたのは、作者の深い洞察だった。この小説は、言葉についての物語であり、名前についての物語でもある。名付けることが世界を分け、世界を認識することにつながる。その根源的な問いが物語の底を静かに流れている。
ごく稀に、小説には「この一行を読むためにここまで読み進めてきたのだ」と思わせる瞬間がある。長い旅路のすべてが報われるような一行との出会いだ。『影との戦い』は、私にとってまさにそんな一冊である。

​『小さな家のローラ』

​絵・翻訳|安野光雄

​06

推薦者:谷尾苑香(ヒシガタ文庫

小学生の頃、再放送されていた『大草原の小さな家』を母と観る時間が楽しみでした。おてんばなローラが野原を駆け、馬に乗り、意地悪な幼馴染みと喧嘩をしたり、小さな事件が起こったり。丸太の家であたたかな家族と暮らす別世界の物語に夢中だった記憶があります。ドラマの原作『大きな森の小さな家』が安野光雄さんの絵と訳で描きおろされたとなると、手に取らずにはいられませんでした。

本で読むアメリカの西部開拓時代の知恵と文化、四季、動物や自然との関係は、画面よりも発見が多く新鮮でした。“正確な翻訳であることよりも、日本語として自然な表現を優先した”というあとがきの通り、やさしい言葉と緻密で色彩豊かな説明図によって理解が深まります。各章の冒頭にある象徴的な美しい絵も必見です。

『野ばら』

著者|小川未明
絵|あべ弘士

​07

推薦者:土井美千代(こども冨貴堂/旭川市)

旭川在住の絵本作家が小川未明の名作に絵本で表現しました。

大きな国と小さな国の国境に石碑が建っています。大きな国から老人の兵士、小さな国は青年の兵士が石碑の側で番兵していましたが、何もない静かな土地でいつしかふたりは打ち解け合う関係になっていきます。しかし、ある日お互いの国が戦争を始めてしまいました。その日を境に敵同士となってしまうのですが。 国が戦争を起こしてもお互いをよく知るふたりの友情の気持ちは変わりはしません。

『少年の日の思い出』

著者|ヘルマン・ヘッセ
翻訳|岡田朝雄

​08

推薦者:羽地夕花(またたび文庫/白老町)

子どものころの経験というのは、決して楽しいものばかりではなく、痛みを伴うものもあるでしょう。本書は、主人公が子供時代に起こった事件を語る内容の短編です。蝶の標本採集に熱中していた彼は、友人がもっていた珍しい蝶の標本を羨ましく思っており、ふとした瞬間に誤って壊してしまいます。友人に謝罪した折に向けられた冷たい眼差しを、彼はいつまでも覚えているといいます。私が小学生の頃に読んだ際には、粉々になった蝶が修復不可能な友情のイメージと重なり、胸が苦しくなるような読後感でした。大人になり改めて読むと、取り返しのつかないことをしても人生は続いていく、清らかではない人間というものに思いを馳せてしまいます。

『歳をとったワニの話』

著者|レオポルド・ショヴォー
翻訳|出口裕弘

​09

推薦者:藤田進(おもちゃと絵本の専門店 ろばのこ)

「おはなしをして〜!」と、4歳の娘にせがまれて、頭の中に浮かんでくる言葉たちを、その瞬間で選び取りながら物語ってみると、思いもよらないお話が飛び出してきたりして、これがなかなか面白い。このシリーズは、作者のショヴォー氏が息子ルノーくんに語った物語が収められているのですが、語り手のユーモアが超絶最高で、ほんの数行で魅了されてしまいます。こんな物語をこどもに語りかけられる著者に脱帽。装丁も含めて、子どもと大人に出会ってほしい一冊です。絶版なのでなかなか出会えませんが全5巻で、1巻目は4歳のルノーくんが登場します。巻が進むにつれて、ルノーくんの年齢も上がっていくのが、またいいところ。

スクリーンショット 2025-05-28 10.22.44.png
BOOK MARK 展  vol.6
​つくりてのバイブル「画集 / 作品集」

期間|2025年5月7日〜7月15日

会場|眺望ギャラリー テラス計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

​共同企画|一般社団法人PROJECTA

第6回は、「つくり手のバイブル『画集/作品集』」と題し、クリエイティブな職業に携わる方々が影響を受けた画集や作品集を推薦コメントとともにご紹介いただきました。つくり手の思考や美意識に触れるきっかけとなり、新たな視点と出会いを生む場となることを目指します。

​(Vol.6の展示は2025年5月7日〜2025年7月15日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』

​01

推薦者:青柳菜摘(アーティスト)

巨大な蜘蛛の彫刻で知られるブルジョワの生涯を辿るような展覧会の図録。女と家が合体した「ファム・メゾン(女・家)」や、言葉と絵を対にした「彼は完全な沈黙へと消え失せた」「昇華」など、いまでも社会の中で言語化できていないことを作家特有の思考で表現している。タペストリー修復業の家に生まれた彼女が布を縫う手つきを想像することで、自らの家を修復し子を育てる「蜘蛛」を扱う経緯を知ることができるだろう。

『Lagon Revue』

​02

推薦者:有田竜祐(OVEN UNIVERSE / TATA PRESS)

フランスを拠点に活動しているアーティスト数人を中心に、1-2年に1度発行されている、アート漫画・グラフィック特集本シリーズ。30組を超える世界中の作家の作品を収録する大ボリュームはもちろん、数種類の紙やインクを使ったり、シルクスクリーン印刷のページがあったりなど、毎号変わる気合いの装丁も魅力的です。制作に対する飽くなき探究心とドロドロのDIYマインドにハッとさせられます。

『Dia, the Collection in Beacon』

​03

推薦者:今村育子(札幌駅前通まちづくり株式会社/アーティスト​)

マンハッタンから電車で約90分の静かな街にある「Dia:Beacon(ディア・ビーコン)」は、かつてナビスコの包装紙印刷工場だった建物をリノベーションした美術館です。2015年に訪れた際、豊かなコレクションが開放的な空間と見事に調和し、ダイナミックな作品のスケール感やその普遍性に深く心を揺さぶられました。
中でも印象に残っているのが、Gerhard Richterの《6 Gray Mirrors》。400×400cmのグレーの大きなガラスが壁から50cm突き出しているだけの、一見シンプルな作品でありながら、圧倒的な存在感を放っており、その前からしばらく動くことができなかったのを覚えています。
作品は実際に見なければわからないもので、「美術とは何か」「作品とは何か」を改めて考えさせられる体験でした。

『≪写真≫見えるもの/見えないもの#02』

​04

推薦者:大橋英児(写真家)

19世紀に写真が発明されて以来、近年ではヴィルム・フルッサーなどの論客が取りあげていた写真の本質に備わる両義性である、カメラという機械に写ってしまうというここと、写すという理念・思想についての問いかけを行った展示の図録になる。

『エル・グレコ展』図録

​05

推薦者:河本真夕(北海道立近代美術館学芸員

1986年に国立西洋美術館(東京)で開催された「エル・グレコ展」の図録です。企画した学芸員による序文を読むと、この方がいかにたくさんの事を考えながら1点1点出品作を選んだのかが、ひしひしと伝わってきます。なかでも日本で長く親しまれてきたエル・グレコの《受胎告知》(大原美術館蔵)を同寸同図の《受胎告知》(ブダペスト美術館蔵)と並べて展示し、描き方を徹底的に比べることでその魅力を引き出した解説は秀逸です。
展覧会を企画する際、常にお手本にしているまさにバイブルといえる図録です。

『Roman Signer (Phaidon Contemporary Artists Series)』

​06

推薦者:高橋喜代史(美術家/一般社団法人PROJECTA 代表理事)

2007年、NYのギャラリーでローマン・シグネールの作品を初めて見た。映像作品が3点展示されていて、どれもがおかしな状況でくすくす笑ってしまう内容で、意味はなくとも面白い状況をつくろうとする姿勢が、当時の自分にドンピシャだった。そのあと、何冊もカタログが出ていて(それで、大作家じゃんと知った)それらを見ていると、途方も無い数の面白い状況を構築しており、そのアイデアの数とバリエーションの豊富さと実現している胆力に気が遠くなった。一番近いようで、一番届かない、自分にとって偉大な作家。

『にほんご』

​07

推薦者:三木万裕子(三木佐藤アーキ)

大阪万博を巡る時勢に顕著なように、なにか見慣れない、新しい景色を見せる建築が広く人の目に触れた時に、理解が得られない、存在意義を見出してもらえないことがある。作り手側が、内輪だけで建築の面白さを見出し、言葉を尽くしてこなかったせいで作り手と使い手が断絶されてしまった。建築を創り出し、問題解決をすること、とともに、建築というものを説明すること、伝えること、がとても大事だと思う。これだけの乖離がある中で伝えるこは、教育することと同義。寄り添いながらも活き活きと伝える、もっと知りたい、使ってみたいと思わせる、そういった伝え方をこの本から学ぶことができると思う。建築とはことばのように、本来人間から切っても切り離せないものであると同時に、もっともっと、一人一人の人間にとって自由で豊かになれるはずだ。

『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎

​08

推薦者:山本雄基(画家)

ひとたび岡崎さんの知見と眼を借りれば、これまで見過ごされてきた古今東西の作品たちが、たちまち輝き出す。モンドリアンの傑作にさえ、食生活という視点から鮮やかに読み直す可能性が示される。美術史をなぞるだけでは見えてこない、作品と世界との対話、そしてその思考の宇宙から生まれた作品群。創作の喜びに満ちたこの本は、エッセイであり、画集であり、作品集でもある。絵を深く味わう喜びや、見ること・考えることの面白さに、これほど気づかせてくれる本は、そう多くはないだろう。

第5回目となる今回は「〇〇な漫画」をテーマに、12名の様々な世代、多様なバックグラウンドをお持ちの方々におすすめの漫画を推薦いただきました。会期中は推薦いただいた漫画の第1巻と推薦コメントをテラス計画にて展示しました。新しい漫画との出会いをご堪能ください。

(Vol.5の展示は2023年5月26日〜2023年7月30日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

1足30万円の靴は高いか安いか。 
本場イタリアで靴作りを学んだ主人公が、オーダーメイド靴専門のお店を開店する。
そこには訳アリの客が多く、一人ひとりに向き合い、靴づくりを通して人の人生を豊かにするさまが描かれている。
1足30万円が高くても安くても、すぐに結論を出すのではなく、物を見る感性に触れられる漫画です。

BOOK MARK展 vol.5​

〇〇な漫画

『トリコ』

作者|島袋光年

推薦者:シンクジュニア 伊藤諒哉(シンクスクールジュニア受講生)

食べ物に感謝できるようになる。いろんな美味しそうな食べ物が次々と出てきて、その度に次の食べ物を期待する気持ちになるが、殆どが現実に実在しない食べ物なので残念ではある。だが調理法は参考になるため楽しい良い漫画。

『東京ヒゴロ』

作者松本大洋

推薦者:伊藤隆介(映像作家/美術作家)

1980年代のニューウェーブ・コミックの勃興から40年、すっかり保守的になったカルチャーシーンで、かつての表現の革命家たちは、どこに棲んでいるのか。落日後の「新人類」世代の自画像とも言える、松本大洋のイタく、切ない最高傑作。「1980年代の日本は良かった」と今をディスることに甘んじず、気力萎え、身体は操作不全になっても「(未だ)何ができるのか」を問う、ロートルには気力が湧き、若者には未来が垣間見える一冊です。

『コロポックル』作者花輪和一

推薦者:小田井真美(アートとリサーチセンター、

さっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター)

花輪和一の漫画が好きで、特に後期の「コロポックル」「天水」は繰り返し愛読しています。この2作品にとどまらず、花輪和一の作品は、すべてのコマが美しい。
気がつけば、コロポックルに導かれて北海道にいてるような気がしています。コロポックルの国と同じ気配の作品が好きです。ここにたどり着こうといつも願っています。そして、だからここにいる理由を思い出せてくれる一冊です。

『夏目友人帳』

作者緑川ゆき

推薦者:クスミエリカ(フォトグラファー/ウェブデザイナー/美術作家)

都会の喧騒や日々のあれこれに疲れた人たちにおすすめしたい漫画です。他の人間には見えない妖怪が見えるという秘密を持った天涯孤独の身の上の主人公が、色々な妖怪との交流を通じて、成長していく物語。人の寂しさと、妖怪の孤独が交差する瞬間に、ふいに泣かされます。一話完結の話が多いので気軽に読めますし、妖怪が可愛いです。現実にそっと寄り添ってくれるような、不思議なファンタジーの世界。ぜひ読んでみてください。

『コジコジ』

作者|さくらももこ

推薦者:小林あい(株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸札幌店 VMD担当)

仕事していたら誰しも一度はデカいことをやらかして凹んだり、疲れすぎて身体が動かなくて、貴重な休みを布団の中で過ごしてしまう日だってあります。そんな時は、『コジコジ』でも読んで、「まあ、あとはどうにかなる」「生きてるだけで、エライ!」と気を楽にしましょう。
仕事で与えられる役割が、あなたの全てではないから大丈夫です。コジコジも言っています、『飛べない時はゆっくり休めばいいじゃん 仕方ないよ飛べないんだからさ』って。

『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』

作者|大白小蟹

推薦者:小林知世(アーティスト/ペインター)

いまを生きる市井の人たちの人生の断片にふれる短編集。日々の中で時々「この瞬間を一生忘れないだろうな」と思うことがある。他の人にとっては何でもない、自分にとっては重要なこと。この漫画を読むと、自分の中の小さな悲しみや喜び、憤り、いろんな感情を心と体で感じることを尊重してもらえるような気がする。 絵、台詞、短歌のあいだに流れるニュアンスがページを捲るごとに自分の体とリンクして、雪の冷たさ、涙の熱さ…温度と感情が流れ込んでくる。

『IPPO』

作者|えすとえむ

推薦者:木村 哲太(シンクスクール企画コース2期生 商業施設勤務)

期間|2025年5月7日〜7月15日

会場|眺望ギャラリー テラス計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

​共同企画|一般社団法人PROJECTA

『カラダ探し』

作者|村瀬克俊

推薦者:シンクジュニア 戸田妃花(シンクスクールジュニア受講生)

かなりグロいので見ているのが辛くなるが、登場人物が敵を倒そうと頑張っているのがハラハラドキドキしてとても面白い漫画。でも登場人物たちが次々と何回も死んでいくのを見るのは辛いと思う。

『ハイキュー!』作者|古舘春一

推薦者:前田麦(イラストレーター)

ジャンプ連載中は読んでおらずアニメから入りました。S1~3までおそらく、8周はしたんじゃないでしょうか?原作の単行本も全て読み、もう見過ぎて正直客観的には見ることができません。ただ1つ言えるのは、この「ハイキュー」の一貫したテーマは、バレーボールという競技と同じく、「繋げる」ということ。主人公、ライバル、先生、生徒、親子、兄弟、先輩後輩、友人全てが繋がっている漫画だと断言します。スラムダンク以降のスポーツ漫画で一番だと個人的には思っています。また見なきゃ。

『空挺ドラゴンズ』

作者|桑原太矩

推薦者:森本優(AIR-G’ FM北海道 ラジオパーソナリティー)

人には人の歴史がある。新しい学校、新しい職場で出会った人に聞いてほしいこと。それは「なぜこの仕事をしているのか」もしくは「なぜこの学校に来たのか」。これを聞くだけでその人の過去と今と未来が分かる。空挺ドラゴンズはドラゴンを捕る飛行船乗りたちの物語。1人ずつ明らかになる過去、そして未来への希望はあなたも照らす。

『リッチな人々』

原案:ミシェル・バンソン、モニク・バンソン=シャルロ 

作:マリオン・モンテーニュ

訳:川野英二、川野久美子

推薦者:羊屋白玉(演出家/劇作家/俳優/「指輪ホテル」芸術監督)

本書の舞台はパリです。パリもサッポロも人口は200万人前後の大きな街です。大きな街は、イキモノが住み分けをするように、特定の地区に似たような属性の人々が住んでいて、その現象をもとに街の風景が作られているとも言えます。例えば、リッチな人々はパリならば16区に多く住んでいます。サッポロでしたらリッチな人々はどこに住んでいるのでしょう?円山?宮の森?札駅周辺?などは土地高騰とともに想像しやすいですね。一方、苗穂駅近くのタワーマンションの部屋を、本州の人たちが独占購入していると聞きまして、サッポロのリッチな人々は、案外「土地を買うけど住まない遠くの人たち」が新定義になってゆくのかな。

『朱雀門』

作者|花輪和一

推薦者:吉崎元章(本郷新記念札幌彫刻美術館 館長)

ものの考え方、感じ方は人それぞれ。そんな当たり前のことに改めて気づかせてくれる漫画です。特に「市魚」を読んでほしい。魚が人間の母親になるという突拍子もない話ですが、主人公の女の子は不思議がらずにそれを受け入れます。ましてや足の裏に鱗が生えてきたのに気持ち悪るがらず、「まあいいか」と言うのです。私が若い頃に読んで最も印象に残っている漫画ですが、自分の足の裏に⋯と想像した感触が、いまでもやけにリアルに甦ってきます。

BOOK MARK 展vol.4

ビジネスパーソンにオススメしたい10冊

期間|2022年8月26日〜10月30日

会場|眺望ギャラリー テラス計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

​共同企画|一般社団法人PROJECTA

第4回目は「ビジネスパーソンにオススメしたい10冊」をテーマに、10名の方々に推薦いただいた図書とコメントをテラス計画にて展示いたしました。ビジネスハウツーに関する1冊、気分が落ち込んだ時の1冊、新しい知見や気づきを与えてくれる1冊など、推薦者の方々の多様な解釈で選ばれた本をご紹介します。
(Vol.4の展示は2022年8月26日〜2022年10月30日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

『海をあげる』

著者|上間陽子

​01

推薦者:猪熊 梨恵(札幌オオドオリ大学 代表理事/学長)

コロナ禍前に家族で行った沖縄。旅行ではあったけれど、普天間基地のある場を皆で訪れた。赤子を抱き、聞こえてきたのは波の音と米軍が訓練する大砲の音。春先に北海道の寒さから逃げるように沖縄にきたけれど、この綺麗な海の近くで今までの沖縄に抱いていたイメージを払拭するような気持ちになった。北の地で私はこの現実をしっかり視てきただろうか。嫌、直視できていなかった自分が居る。その後、この本に出会ったのは昨年。第三子をお腹に宿している時に一気読みした。沖縄のさまざまな現実である基地のある街に暮らすということ、そこで起きる性虐待や若年出産に関して、著者である上間さんの視点がぎっしりと込められている。「海をあげる」というタイトルの通り、私はこの“海”について受け取ってしまった。次はあなたの番。

『シュナの旅』

著者|​宮崎駿

​02

推薦者:木藤愛美(札幌駅総合開発株式会社 広報文化部)

美しくも奇怪な世界観にたちまち惹きこまれます。読み終えた後は勇気が湧き、自身を激励するもう一人の私が現れます。仕事で落ち込むことがあったり、自分を見失いそうになった時に無性に読みたくなる、言わば元気回復本です。私たちがそれぞれに抱え、心のどこかで探し続けている「何か(=答えみたいなもの)」を、気付かせてくれる気がします。

『桃太郎は盗人なのか?ー桃太郎から考える鬼の正体ー』

著者|​倉持よつば

​03

推薦者:草野竹史(NPO法人ezorock 代表理事/合同会社森のピタゴラス 業務執行社員)

小学校5年生のよつばさんが、桃太郎は正義で、鬼は悪者という思い込みに疑問を持ち制作した一冊。いくつもの文献も読み、自分の考えをまとめている。"NPO"という摩訶不思議な業界にいる私が現代に置き換えて読んでみると"桃太郎"という存在から、その時代の社会的課題の象徴である"鬼"へアプローチが「このやり方で正しいのだろうか」と疑問を投げかけているように感じる。常に「私のやり方は間違っているかもしれない」という問いを忘れないようにしたい。

『弱いつながり 検索ワードを探す旅

著者|東浩紀

​04

推薦者:小島歌織(アートディレクター/デザイナー)

東浩紀の書籍をはじめて読んだのは2009年でした。当時彼は現代の感性をもった鋭い論客であり、オタクであり、思想家でした。近年は、思想の実践として株式会社ゲンロンという会社を創業しています。彼は自費流通など「自身で媒体をもつ」ということに若い頃から取り組んでおり、自律した言論活動を実践していると言えます。この10年ZINEのイベントを行ってきた自分には、彼の姿勢にとても影響をうけました。これまで『動物化するポストモダン』『一般意志2.0』『弱いつながり』『観光客の哲学』『哲学の誤配』といった著作を発表しています。なかでも『弱いつながり』は、旅をする毎に思い出すお気に入りの1冊です。彼の哲学の中心概念に「誤配」があります。「間違って届く」…クレームがきそうな意味に感じますが、予期しなかった相手や出来事との出会うことができる機会であると彼は言います。観光というものはもともと表層を撫でるだけで、留学や移住よりも軽視されます。でも彼は本の中で観光客でよいのだとしています。そういった行動が招くのは、予期しなかった相手や出来事との出会い…つまり誤配です。日々のルーティーンでは難しいひらめきも、旅から見つかっていくのかもしれません。

『イン・クィア・タイム

​編集|イン イーシェン  

編集|リベイ リンサンガン カントー  

翻訳|村上 さつき  

​05

推薦者:瀬名波栄潤(北海道大学大学院文学研究院・教授)

発売は7月29日。2019年に香港のSignal 8 Press社から出版された、アジア系英語作家18人によるクィア短編集Sanctuary: Short Fiction from Queer Asiaの邦訳版。国もジェンダーもセクシュアリティも多様な背景を持つアジアの作家18人の短編が紹介されている。欧米作品とは一味も二味も違う、アジア系のLGBTQ文学アンソロジー。札幌出身の翻訳者・村上さつきの本格的デビュー作。

『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル

著者|山本浩貴

​06

推薦者:高橋喜代史(美術家/一般社団法人PROJECTA 代表理事)

現代美術を知りたい、学びたい、と思った時に真っ先に手をのばす一冊。アーツアンドクラフツ、民芸、ダダからはじまり、第一部で欧米における芸術の概念が拡張される動向を1960年代から現在まで。第二部では日本における60年代の前衛美術から3・11以降のアートまで。第三部ではトランスナショナルというあまり聞きなじみのない「越境」の概念で見渡し、有色人種やマイノリティ、欧米以外のアジアの作家たちの活動を丹念に迫っていく。専門的な単語や作家名など出てくるので難しく感じるかもしれないが、適宜理解しやすいように別の言葉で置き換えて説明されるので読み進めやすい。現代美術の歴史を簡潔明瞭言葉で綴られるので入門書として最適の一冊ではないだろうか。

『お店を始める前にするべき5つのこと

著者|​田村公正

​07

推薦者:田中幸生(株式会社桂和商事 統括部長)

お店を始める人もそうではない人も、読んで損はない「そうだったのか」が詰まった1冊です。皆さんは、普段よく行くお店がどのように開店したのか考えてみたことはありますか?この本は「もしあなたが今からお店を始めるなら、まず何をすべきか」を具体的に説明しています。業者の選び方等の基本のキから、お店を始める心構え、そして「いかに繁盛店にするか」まで教えてくれます。業界のウラ話もあり、知っているとお店の見方が変わる雑学も知ることができる、店舗経営の指南書です。

『ネガティブ・ケイパビリティ答えの出ない事態に耐える力

著者|​帚木蓬生

​08

推薦者:照井レナ(人体改造カブ式会社 シャチョー/保健師/看護師/キャリアコンサルタント)

わたしはこの本を2冊持っている。大学と自宅の書斎それぞれに。「答えの出ない事態に耐える力」という副題に惹かれた。わたしたちが生きていく上では、“問題を解決する力”以上に、“解決できない問題を抱えたまま耐える力”こそが必要になると本書は言う。一貫して「世の中には、すぐには解決できない問題の方が多い」と、「だからこそ“性急に答えを求めない能力”を」と。本書は、詩人ジョン・キーツやシェイクスピア、ユルスナール、日本においては紫式部、帚木自身の小説や精神科医としての論文を用い展開されていく。この1冊に込められたネガティブ・ケイパビリティの海へ深く潜ってみよう。そして秋の夜長は、これら登場人物の作品にふれてみるのもいい。

『神様からひと言

著者|​荻原浩

​09

推薦者:芳村直孝(札幌駅前通まちづくり株式会社 代表取締役社長)

わけあって大手広告代理店から食品会社に転職し、さらにわけあってクレーム対応部署に異動させられた会社員が主人公のビジネス小説です。
仕事で辛いことがあったり、理不尽な思いをしたり、悩んだりしたときに読んでみてください。きっと、読み終えたときには「もう少し頑張ってみようかなぁ」と思えるはず。ただし、読んでも、ビジネスのノウハウやハウツーを学べるわけではありませんので、あらかじめお伝えいたします。

『ゲーム散歩 専門家と歩くゲームの世界

著者|​いいだ、なむ

10

推薦者:渡邉瞳(株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸札幌店  営業推進部 販売促進担当)

ゲームを様々な専門家と歩く、という風変わりな「散歩」をするYoutubeシリーズ『ゲームさんぽ』。ひとまずは視聴せずとも楽しめる、遊びと学びの魅力がつまった一冊です。個性豊かなゲストとの「さんぽ」は発見の連続。自分の持ちえなかった視点がインストールされ、世界を歩き回る楽しみがいつのまにか増えている……そんな経験は、読書や仕事や人生にも通底する醍醐味なのではないでしょうか。

BOOK MARK 展vol.3

​みんなのえほん

期間|2019年11月8日〜12月22日

会場|眺望ギャラリー テラス計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

​共同企画|一般社団法人PROJECTA

第3回目は、誰もが一度は読んだことのある「絵本」をテーマとしました。子ども向けなのに、なぜか大人も惹き込まれてしまう奥深い絵本の世界をぜひお楽しみください。
(Vol.3の展示は2019年11月8日〜2019年12月22日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

『考えない世界』

著者|​原田 宗典

​絵|かとう ゆめこ

​01

推薦者:青池茉由⼦(デザインアトリエBLUEPOND/ガラス作家・デザイナー)

ずっと触れていたくなる本です。確か出会ったのは美大生の時…こんな本があるなんてと
衝撃をうけたのをよく覚えています。流れる様に続く優しい水彩と文字が織りなす物語は、
まるで移ろいゆく哲学の雲を眺めているようでした。当時の自分は”頭に浮かんだイメージを
描く感覚”ではなく“考えず手によって描かれていく感覚”の面白さにのめり込んでいた頃。
丁度この主人公と自分が重なり合い、その心の居所を見つけたように思います。

『ぼくとクッキー さよならまたね』

著者|​かさいまり

02

推薦者:赤坂文音(札幌駅前通まちづくり株式会社 経営・企画グループ)

幼稚園のときに仲良くしていた友達とは違う小学校になり、その時のさみしい気持ちが「ぼくとクッキー」と重なり、小さいながらに涙をこらえながら読んでいた作品です。当時、イラストやあらすじを交えてしおりをつくる授業でこの本を題材にした時、学年で金賞をもらうこともできました。幼少期の小さな経験ですが、デザインやつくることが好きになったきっかけにもなっているような気がする1冊です。

『うそだあ!』

著者|サトシン

​絵|山村浩二

03

推薦者:馬屋原天(Think School Jr.)

私がこの本を好きになった理由は、日常の当たり前がひっくり返り、ありえないことが起きているからです。例えばバナナの川をむいたらチョコバナナとか、ジュースが蛇口から出てきたりとても面白いです。見ているときにもっと面白く見れるポイントは、ありえないことを言っている男の子の言葉の最後に「うそだぁ!」とつけるとお話が面白くなり笑えてきます。みなさんもぜひ読んでみてください。

『マーヤのやさいばたけ』

著者|レーナ・アンダション

04

推薦者:足立岬(一般社団法人PROJECTA コーディネーター)

なぜか強く記憶に残っている絵本です。ちょっと対象年齢が高めで、小学生になっても読んでいたせいかもしれません。とにかくよくわからない野菜にあこがれて、親にフェンネルを植えてとせがみ、挿絵のようなはつかだいこんジュースが飲みたいと頼み込んだ記憶があります(本当ははつかだいこんは辛すぎて子供の頃は嫌いでした)。大人になった今でも、植物を育てたり野菜を収穫したりすることが大好きです。ルバーブのパイを焼いてみたいし、クローブと一緒にゆでたキャベツにバターをつけて食べてみたいなと思います。間違いなく、植物や土仕事のおもしろさと、未知の味への好奇心を教えてくれた本です。

『ありとすいか』

著者|たむらしげる

05

推薦者:猪熊梨恵(NPO法人札幌オオドオリ大学代表理事・学長)

幼稚園児の頃、地元の図書館で出会い何度もこの絵本を借りた記憶がある。幼い頃の自分には蟻が身近で、よく外遊びしている時に観察していた。その蟻と蟻からみたら巨大なスイカが主人公。出てくるのは「ありとすいか」だけ。蟻がスイカをみつけて、たくさんの仲間と共にそのスイカを食べ、遊び、巣まで運ぶストーリーに、蟻の自由さと、仲間となにかをすることの面白さを感じていた。今でもスイカをみても蟻をみてもこの絵本を思い出してしまう。

『よあけ』

著者|ユリ・シュルヴィッツ

06

推薦者:今村育子(札幌駅前通まちづくり株式会社/美術家)

夜からよあけを迎えるまでの静かな時間を描いた1冊。何も起こらないはずの夜、みんなが寝静まって観察することが出来ない夜の情景、些細な光や風の動きを繊細に描写しいるとにかく美しい絵本です。翻訳された言葉づかいも詩的で耳に残り、娘は「おともなく」「しずもる」「うごくものがない」など、すぐに気に入り幾つかのフレーズを口ずさんだほど。ただ夜があけていくだけなのに、ページを進めるうちに高揚感が高まり、エモーショナルな体験ができました。(2歳から)

『キャベツくん』

著者|長新太​​

07

推薦者:大西洋(イラストレーター/北海道教育大学岩見沢校 イラストレーション研究室 准教)

子供たちは、よくギャグを言う。親はつい「何言っているの?」と冷ややかな発言。親がそんな態度をしても、子供は大笑いで同じことを繰り返す。大人にとって、子供の笑いは意味がなく感じてしまうのかもしれない。しかし、今まさに子供の頭の中では何かが大開放している。著者である長新太の世界観はまさしくナンセンス(無意味)である。だから、子供に大ウケである。この絵本でのポイントは、主人公のキャベツくんの奇想天外な発言のたびに、ブタヤマさんが驚きのあまり発する「ブキャ!」である。この絵本を読み聞かせるときは、ブタヤマさんに成り切って「ブキャ!」とやってください。子供の世界に戻れる気がします。

『天動説の絵本ーてんがうごいていたころのはなし』

著者|安野光雅​​

08

推薦者:黒岩絵里子(一般社団法人PROJECTA コーディネーター)

記憶はうっすらなのに、今でも私の中のどこかに刻まれているのが実感できる。

『がたん ごとん がたん ごとん

著者|安西水丸​​

09

推薦者:菊地弘記(札幌駅前通まちづくり株式会社 経営・企画グループ グループ長)

イラストレーターでもある安西水丸さんの名作。初めて買った絵本がこの作品だったという方もいらっしゃるかもしれません。
同じ言葉の繰り返しですが、そのリズムが赤ちゃんには心地いいのか、「がたんごとーん」と体を揺らしながら抑揚をつけて読んであげると、キャッキャと喜びます。
私と一緒に「のせてくださーい」と笑っていた我が子は、この絵本のおかげか、今でも電車や食べ物が大好きです。

『なんぎなたんけんたい』

著者|佐々木マキ​​

10

推薦者:櫻田竜介(一般社団法人PROJECTA コーディネーター)

雑誌「おひさま」を愛読していたこども時代に、特に好きだったのが『へんてこライオン』とこのシリーズ。まだ小さい子どもだった自分が「難儀」なんて言葉を知るはずもなく、当時は「個性豊かな4人の冒険譚!」というシチュエーションにどきどきわくわくしていた。はずなのだが、あらためて読み返すと、なんともいえない読後感とナンセンスさ。そしてタイトルどおり、ひたすら難儀の連続。
「すべり芸」や「ナンセンス」が大好物な自分の嗜好を再確認してしまう1冊。

『リトルターン』

著者|ブルック・ニューマン

翻訳|五木 寛之

絵|リサ・ダークス ​​

11

推薦者:柴田未江(札幌駅前通まちづくり株式会社 経営・企画グループ/まちのこそだて研究所gurumi 研究員)

飛び方を忘れてしまった一羽の鳥(リトルターン)の挫折と再生の旅を描く物語。
痛みや挫折の記憶を振り返るのは久々だが、学生時代、私はくじけることが多かった。
高校受験の失敗。その数ヶ月後、交通事故で利き手・腕が使えなくなり、回復した頃には高校時代の3分の1以上が終わっていた。大学時代には、車の事故でリハビリの半年ぐらいの記憶が抜け落ちている。
若かりし頃の私はくじける度に「自分の軸や骨格(アイデンティティ)は何なのか」を考えたり、悩んだりしながらポジティブを保ってきたが、この本に出会いリトルターンと自分と重ねることで、初めて自分の人生を俯瞰できたかもしれない。誰もが一度は起こりうるつまづきに、リトルターンが伝える言葉はそっと問いかけてくれる。この本を読んだ頃から、自分に起こったすべての事象を受け入れることができるようになった。歳を重ねても読みたくなる尊さがある本だ。

『よかったねネッドくん』

著者|レミー・シャーリップ

翻訳|やぎた よしこ​​

12

推薦者:高橋喜代史(美術家/一般社団法人PROJECTA ディレクター

『ジャーニー 国境をこえて』と迷いに迷い、こちらを選出。絵本は自由でのびのびした世界!と勝手に思いこんでいたら、僕が苦手とする道徳的だったり、教育的な本にもたびたび出会うのですが、このネッドくんは、テキトーで、バカバカしくて、ノーメッセージなところが大のお気に入り。わたくし、無内容だけど面白いものつくるのって難しいと思うのです。わたくし、無内容だけど面白いものもつくりたいのです。その一つの指標がこの絵本です。

『オリバーくん』

著者|ロバート・クラウス

絵|ホセ・アルエゴ、エアリアン・デュウェイ

13

推薦者:高畠踏子(一般社団法人PROJECTA コーディネーター)

飾り気の無い文章と、絵のタッチや配色が好きです。絵が気に入って購入しましたが、読み重ねると内容の良さがじわじわ来ます。子育てをしていると、その対価としてなのか、何かしらの結果や成果を期待し過ぎてしまったり、つい自分の思い通りにさせたくなることが私はあるのですが、「子どもが親に愛されて守られることは当然」、「子どもは親と別の人間で、自分の道を進む」ということを、この本は素直に思わせてくれます。

『賢治宇宙』

著者|宮沢賢治
絵|小林敏也

14

推薦者:久野志乃(画家)

〝わたくしといふ現象は〟ではじまる「序(春と修羅)」で人も物も風景もすべてが等しく交じり合う賢治の世界に足を踏み入れた瞬間を覚えています。小林敏也氏の描く美しく硬質な鋼青色の線は賢治の宇宙空間を照らし出す光のようです。
38編の詩は、残されたメモによってほぼ時系列に綴られることで賢治の生活や意識の変容も共に感じることができます。
相反するような科学者としての言葉と信仰者としての言葉が、その特異な感覚とファンタジーの中で共存しながら今もみんなを至高の方へと連れて行こうとするのです。

『せん』

著者|スージー・リー

15

推薦者:藤田とわ(ろばのこ店長)

絵本は魅力に溢れています。最初の1ページを開く時にわくわくし、ページを進めていくごとにどんどん物語の中に入っていき、読み終えた時にふと現実の世界に帰ってきて、楽しかった絵本の世界に思いをはせる。絵本の世界は日常生活では体験できないことまで体験できます。そんな魅力が詰まった絵本も最初は一枚の紙、そして一本の鉛筆、一本の「せん」から作られていきます。文字がない絵本ですが、みているだけでドキドキしたり、悲しい気持ちになったり、温かい気持ちになったり。絵本なのに読み終わると映像をみていたかのような不思議な感覚になります。

『時計つくりのジョニー』

著者|エドワード・アーディゾーニ

翻訳|阿部公子

16

推薦者:本間恵(札幌市図書・情報館 司書)

親や先生の価値観にのみ支配される世界は悲しい。
「あなたはまだ小さいんだから、そんなむずかしいことはできませんよ」
いーえ、できますとも!
『大時計のつくりかた』の本を百回も開いてジョニーはつくりあげた。どうしてもつくりたかったから。
熱意を汲んでくれた、親や先生じゃない大人がいたから。
信じてくれた友達が、たった一人いたから。
私はたくさんのジョニーを、たくさんの夢を肯定します。
それが大人の仕事でしょう?

『This Is Not A Book』

著者|Jean Jullien

17

推薦者:山本ソフィー(maru studio / グラフィックデザイナー)

「これは本ではありません」、ラップトップ、テント、怪獣、さらにはおしりです。 若い読者の想像力を刺激し、物事を違った視点で見て、創造的に考えるよう促します。 子どもたちは物理的に本と対話し、自分の物語を作ります。
フランスのグラフィックデザイナーであり、ロンドンのセントラルセントマーチンズとロイヤルカレッジオブアートに学んだジャン・ジュリアンの仕事は、写真、ビデオ、書籍、ポスター、衣服にまで及びます。

BOOK MARK 展vol.2​

期間|2018年11月17日〜12月24日

会場|眺望ギャラリー テラス計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

​共同企画|一般社団法人PROJECTA

第2回目は、まちづくり、美術、建築、デザインなど各分野でご活躍されている方々におすすめの書籍をご紹介していただきました。
(Vol.2の展示は2018年11月17日〜2018年12月24日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

『決定版ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』

著者|藤原辰史

01

推薦者:天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野主席学芸員/プログラム・ディレクター/札幌国際芸術祭2020統括ディレクター)

本書は、2012年に水声社から刊行、第一回河合隼雄学芸賞を受賞、2016年に旧版を改訂して出版された。
タイトルにある通り、ナチス時代に以下にドイツ国内の各家庭の台所がナチスの施策によって如何に「合理的に」改変されてきたかが、建築、家政学、レシピなど様々な視点で徹底的に解明されている。プライベートな空間である台所が、如何にして生政治的な文脈に巧みに公共化として組み込まれていったのか、あるいは今日我々が抱くステレオタイプなドイツ人の「几帳面」な国民性といったイメージが実は醸成されたものであるかが浮き彫りにされる。

『天才はあきらめた』

著者|山里亮太

02

推薦者:荒木悠(美術家/映像作家)

本屋さんでちょっとだけ立ち読みするはずが、立ったまま一気に読み終えてしまった怪著。負のエネルギーをひたすらポジティブに変え、爆走し続けてきた男の半生は、表現に携わる全ての者の心を揺さぶるはずだ。盟友・オードリー若林正恭による解説もまた、必読。笑って泣ける、至極のキャンディー。

『〈象徴(シンボル)形式〉としての遠近法 』

著者|エルヴィン・パノフスキー

​監訳|木田元

​翻訳|川戸れい子、上村清雄

03

推薦者:岡崎乾二郎(造形作家/批評家)

芸術に関わる人が誰もが見ておくべき、読んでおくべき本当の古典といえるものの多くは無償、廉価でNETで手に入る時代にもなった。古典とは、そこに示されている認識を共有されていることを前提にその後の文化が作られているものであることをいう。無料、廉価であってもかつて出版され読み継がれてきた事実は容易に否定できないほど重い。ここに選ばれたものはその一部にすぎない。こうした古典をがっちりふまえた上で新たな知見、創作するのは無謀にみえる挑戦だが、古典はむしろその挑戦を勇気づけてくれることのほうが多いのである。    

『人間の街: 公共空間のデザイン』

著者|ヤン・ゲール

​翻訳|北原理雄

04

推薦者:泉山塁威(東京大学先端科学技術研究センター助教/一般社団法人ソトノバ共同代表理事・編集長)

公共空間利活用に関する規制緩和や、各地の実践がある中で、2014年に邦訳された。同年、著者ヤン・ゲールが来日講演したことも、日本の公共空間利活用の状況を大きく変えた。彼が示したのは、公共空間は誰のものなのか?人のものであり、空間設計や場づくりを考えるにあたり、人の寸法や感覚、あるいは人の行動に着目し、観察して記述する長年の研究成果からの知見を説いている。誰もが失っていたことを気づかせてくれた。

『酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅』

著者|マクガヴァン,パトリック・E.

翻訳|藤原多伽夫

05

推薦者:神長敬(株式会社KITABA代表取締役社長)

会社の飲み会は面倒だ。そんなスタッフの雰囲気を感じながら、おじさんは毎夜アルコールにひたる。本書の冒頭にアルコールを飲むことの効果として、痛みを抑え、感染を止め、病気の治療にも役立ち、日常の悩みを忘れさせ、社会の潤滑油となって、生きる喜びを与えてくれる、とくればもう飲まずには、いや読まずにはいられませんよね。ペンシルベニア大学の考古学人類博物館、「料理、発酵飲料および健康に関する生体分子考古学プロジェクト」のサイエンスディレクター、パトリック・ E・マクガヴァンが、土器に付着した有機物を分析して太古の酒に迫る。酒好きにはたまらない旅の書。

『モモ—時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』

著者|ミヒャエル・エンデ

06

推薦者:佐々木信(デザイナー)

ドイツ人作家ミハエル・エンデが1973年に出版した、時間どろぼうのお話。灰色の男たちが、主人公・モモの友人たちから次々と時間を奪います。時間を奪われた友人たちは表情を失い、いつも忙しく余裕がなさそう。さぁ、どうするモモ? 当時6歳の息子と一緒に読みました。文字は読めないけれど、耳で聞くなら複雑な物語でも理解できちゃう、そんな時期。息子によると灰色の男たちは本の中だけではなく、僕たちの周りにも潜んでいるそうですよ。こどもにも大人にもおすすめの物語。

『日常生活の冒険』

著者|大江健三郎

07

推薦者:西野 達(アーティスト)

大江健三郎は、学生時代とその後のアート活動を始めるのあたって一番影響を受けた芸術家の一人です。バスを待っている間に偶然見た表紙の絵に惹かれて古本屋で手に取ったその本で、大江健三郎を知るきっかけになりました。それ以降彼以外の小説を非常につまらなく感じ始め、未だに他の作家の小説を読むことができない状態です。小説を書く方法を記した彼の「新しい文学のために」は、ヴィジュアル・アートの制作にも役立つでしょう。

『時間のかかる読書』

著者|宮沢章夫

08

推薦者:長谷川 新(インディペンデントキュレーター)

きっといまこれを読んでいるあなたはたくさんの未知の本たちに圧倒されているかもしれません。たくさん読まなきゃ!という焦りも生じることでしょう。もしくは、わくわくしていますか。
この本の作者は、横光利一の『機械』というそれほど長くない小説を、なんと11年かけて読みました。この本はその記録です。記録、といっても、最短距離からほど遠く、脱線に次ぐ脱線、枝葉末節の雨嵐。
でもそれが読書経験じゃないと誰が言い切れるんでしょう?
信じてほしいのは、読書は決して知識の一方通行的伝達ではないということです。良き時間を。

『世界に学ぶ「ボトムアップ型の都市」のつくり方 We Own The City』

著者|フランチェスカ・ミアッツォ・トリス・キー編

翻訳|石原薫

09

推薦者:保井美樹(法政大学教授/全国エリアマネジメントネットワーク副会長/International Downtown Association理事)

自分たちが関わって「まち」ができているという実感がほしい。でも、どうしたらいいか分からない。そんなときに読んでみるといい1冊。アムステルダム、モスクワ、ニューヨーク、香港、台北など世界各地で起きている、市民主導のまちづくりがどのような背景で起き、誰がどんな役割を果たしたのか、その構造とストーリーが一覧できる。
末尾に、本書でどんな単語が多く登場したかを分析するページがある。一番多く使われた用語は「ひと・グループ」「公的機関」「都市」「コミュニティ」の順だそうだ。ひとやグループが進める取り組みを公的機関が支えるパートナーシップの形は、まさに札幌で見えつつある姿ではないだろうか。

『エコロジカル・デモクラシー まちづくりと生態的多様性をつなぐデザイン』

著者|ランドルフ・T.ヘスター

翻訳|土肥 真人 

10

推薦者:藤村龍至(建築家/東京藝術大学准教授/RFA主宰)

「エコロジー」と「デモクラシー」を組み合わせた少々奇妙な造語は、カルフォルニアで活躍するランドスケープデザイナーであり、日本でも知られるようになった「コミュニティ・デザイン」なる用語を提唱したランディ・へスターによるものである。コミュニティによるデザインではときに住民のエゴが前景化するが、同時にエコロジーについて考えることでバランスさせることもできる。デザインを高域で検討するための方策でもあり、人間中心主義への批判でもある。

BOOK MARK 展vol.1​

期間|2013年7月13日〜8月3日

会場|越山計画

主催|札幌駅前通まちづくり株式会社

第1回目は、越山計画のオープニング企画として、ビジネス、美術、音楽、建築など、各分野を代表する25名の方々に、
「人生を変えた一冊」など様々なテーマで珠玉の一冊を推薦していただきました。本アーカイブでは20名の推薦者の方々による本をご紹介いたします。

(Vol.2の展示は2013年7月13日〜2013年8月3日で終了しました。推薦者の肩書は当時のものとなっております。)

『安藤忠雄―挑発する箱 日本の建築家 (6)』

​01

推薦者:五十嵐 淳(建築家)

​テーマ:「人生を変えた本」

学生時代、「建築家」という職業も知らず、「建築家」という言葉すら知らなかった僕に、「建築家」という目指すべき人生も目的を与えてくれた大切な一冊です。 

『今和次郎採集講義』

著者|今和次郎

​02

推薦者:石塚雅明(株式会社石塚計画デザイン事務所代表取締役)

​テーマ:人生を変えた本

近代化の意味が深く問われている現代において、アノニマスな人々の営みのなかに窺うことのできる創造性と多様性に光を当てる事の大切さを痛感させられる。今和次郎の執拗な迄の採取スケッチには、そのような力がある。

『Google誕生  ガレージで生まれたサーチ・モンスター』

著者|デビッド ヴァイス

​03

推薦者:石水創(石屋製菓㈱ 取締役副社長)

​テーマ:不可能を可能にするための一冊

現在、当たり前のようにコンピュータやケータイで、どんな情報でも即座に手に入るが、そんな究極の検索エンジンを発明するのに、不可能に思えることを無視し続けた2人の若き共同創業者がいた。現代版パートナーシップ経営のバイブル本。

『少年アート』

著者|中村信夫

04

推薦者:伊藤隆介(石屋製菓㈱ 取締役副社長)

​テーマ:「人生を変えた一冊」はもう絶版ですが、僕らの世代といえばこの一冊

日本の美術シーンを決定的に変えた一冊。逆に、最近は再版されていないので、若手作家や美術学生の意識が、ドメスチックに戻っている気もする。とすれば、この本こそはドーピング剤だったのか?

『日本国憲法』

監修|伊藤真

05

推薦者:上田文雄(札幌市長)

​テーマ:気軽に簡易に読めるこの一冊

戦争の惨禍を踏まえ、二度と国際紛争を解決する手段として武力による解決をはからないという宣言とともに、戦力不保持を政府に命じ、物理的に平和主義を規定した日本国憲法。国民主権の何たるかを含めて、読んで学習するのは「今でしょうー!!」

『創造の道―札幌大谷大学短期大学部開学50周年記念編集』

著者|太田清史、あべ弘士、岡部昌生、OKI、木村雅信、 佐藤友哉、杉山留美子、端聡、港千尋、水島久光、宮岡秀行、宮田雅子 など

06

推薦者:岡部昌生(美術家)

札幌大谷短大の復活《人生と芸術》の講義録は、戦後史の分水嶺、3.11を経て語る15人の表現者が、魂をさらし全力を傾け「創造力は時代を超えられるか」と問い、探るスーパーセッション。これは3.11以降の、もうひとつのドキュメンタリーである。

『センス・オブ・ワンダー』

著者|レイチェル・カーソン

翻訳|上遠恵子

07

推薦者:上遠野敏(美術家、大学教授)

​テーマ:私が子供の時に出逢いたかった1冊

『沈黙の春』の著者、レイチェル・カーソンがガンにおかされながら書き溜めた不思議さに驚嘆する感性の珠玉の短編。甥のロジャーと過ごした夏の海岸と森の物語は、地球にそっと語りかける事によって聴こえてきます。地球が極楽浄土であることを。

『中部銀次郎のゴルフ』

著者|中原まこと

​08

推薦者:越山元(有限会社 越山ビルディングズ 代表取締役専務)

​テーマ:後半の人生を変えた一冊

60歳の手習いで始めたゴルフ関係で最初に出会った本です。中部銀次郎は生涯アマチュアで通した人物で日常生活がすべてゴルフの人でした。「こういう人がいるんだなぁ」と思うと同時にゴルフというスポーツの奥深さを知った本です。

『この国のかたち1~6』

著者|司馬遼太郎

09

推薦者:斎藤ちず(NPO法人コンカリーニョ 理事長)

学校教育の中では、学べなかった日本の歴史。
人の営み→政治のことを身近に考えるために、過去を学ぶ。
学べる素材は歴史の中にたくさんある、と新鮮な驚きです。
先輩たちのたくさんの成功と失敗。失敗話が興味深い。

『ガン回廊の朝』

著者|柳田邦男

10​

推薦者:清水弘之(三井不動産株式会社 北海道支店長)

​テーマ:じんわり感動した一冊

国立がんセンターにて胃がんの治療に取り組む医師たちの姿を追ったノンフィクション。この著者の作品にはこのようながんやターミナルケアを扱ったものや「マッハの恐怖」などの航空機事故関係が多いが、いずれも事実を精緻に捉えていてひたすら感服。

『プラムおじさんの楽園』

著者|エリザ・トリンビー

11​

推薦者:白鳥健志(札幌駅前通まちづくり株式会社 取締役総務部長)

​テーマ:私の人生を変えた一冊

一人の“つぶやき”や“思い”が、人と協力しあうことで、大きなうねりとなって実現につながることを、絵本の特色を活かして想像豊かに語る逸本。市民主体のまちづくりのあり方や具体例をわかりやすく示しており、私を“まち育て人”に誘った一冊です。

『さまざまな空間』

著者|ジョルジュ・ペレック

12​

推薦者:橘匡子(特定非営利活動法人S-AIR プログラム・ディレクタ―、講師)

​テーマ:空間を空間たらしめる意識についての本

大学院で、表現の空間として、本とはどのような空間なのかを考えていたときに進められた本です。ペレックや彼が所属していた他のウリポの作品は、言葉という素材が概念的に構成され、現代美術と通じるものがある気がします。

『なぜ、植物図鑑か』

著者|中平卓馬

13​

推薦者:露口啓二(写真家)

生死をさまよう昏倒とその後に続く記憶と言語の障害から、撮影を継続することで立ち直り、現在も特異な写真作品を作り続ける写真家中平卓馬が、倒れる以前に刊行した映像論集です。この書物がもたらした激震はいまだ鎮まっていない。

『[完全版]生きがいの創造』

著者|飯田史彦

14​

推薦者:寺島賢幸(グラフィックデザイナー)

​テーマ:人はどこから来て、どこに行くのかを確信できた一冊

2歳の時、今の自分は自分ではないという強いインスピレーションを受けてから、ずっと知りたいと思っていた生命と魂のしくみを、この本で納得することができて、とても気持ちが楽になりました。

『静かな大地』

著者|池澤夏樹

15​

推薦者:中島洋(シアターキノ代表)

​テーマ:数年前の正月に一気に読んだ本

北海道の精神がどのように作られていったか、心の歴史に触れることができる。ここから池澤夏樹というDNAが生まれたことにその解答がある。分厚い本だがぐいぐいと引き込まれること請け合い。

『量子力学〈第1〉』

著者|朝永振一郎

16​

推薦者:中村達也(株式会社 敷島屋 代表取締役社長)

​テーマ:若き私の進路を決めた一冊

ノーベル物理学賞受賞の朝永振一郎博士の古典的名著である。私の兄も物理学の道を進んだが、兄の本棚にあったこの本を盗み読みして、私も同じ道を歩む事となった。

『PHOTOGRAPH』

著者|高松次郎

17​

推薦者:蓮沼執太(音楽家)

​テーマ:人生を変えた1冊

高松次郎『写真の写真』シリーズは、僕に非常に大きな影響を与えている。イデオロギーの解体や再構築の実践のお手本のような作品集。段々と稀薄になり、いずれかは消えていくイメージ。その写真から放たれて消えていくイメージの運動が最終的に作品に芸術性をもたらしているように思う。

『反解釈』

著者|スーザン・ソンタグ

18​

推薦者:穂積利明(北海道立近代美術館 学芸部 主任学芸員)

書籍所収の「キャンプに関するノート」はそれまでの美術に関する価値観を根底から変えてくれました。その原因はいろいろあるのですが、まずは当時、クラウスなどに先んじてグリンバーグ的モダニズムに真っ向から反していたこと、まだ言葉にされていない美意識の伏流を新しいクライテリア(批評基準)として提示したこと、また同性愛文化を堂々と主流化したことなど、短い文章ではありますがその後継に与えた影響はかなり大きなものがあります。

『犬が星見た-ロシア旅行』

著者|武田百合子

19​

推薦者:宮井和美(モエレ沼公園学芸員)​

​テーマ:何度も読み返す一冊

書かれた時代や旅先の乾いた光、作者の人柄のすべてを愛しています。旅の同行者や行く先々で出会う人々への視線も辛辣だったり愛があったり。屈託のなさが素敵です。気楽に読み進めていたら、唐突にめくるめく風景の描写が差し挟まれる所も心を掴まれます。

『職業としての政治』

著者|マックス・ウェーバー

​20

推薦者:吉田徹(北海道大学公共政策大学院、政治学者)

​テーマ:政治の奇奇怪怪を考える

みんなが「善い思い」を持っていても、政治がぜんぜん「良くならない」のはなぜ?そんな根本的な問題を、20世紀最大の社会科学者ウェーバー先生が優しく講演してくれます。

〒060-0002
北海道札幌市中央区北2条西4丁目1 赤れんがテラス 5階(3Fより専用EVに乗り換え)
OPEN:11:00-19:00(イベントにより変更あり)
TEL :011-211-4366 MAIL:terracekeikaku@gmail.com
運営:札幌駅前通まちづくり株式会社
テラス計画は、新しい文化やアイデアが生まれるよう、異なる価値観が出会う場を作り、イノベーションを促す活動を目指しています。
Copyright © 2024 テラス計画 All right reserved.
bottom of page